”こんなふうに死から目を背けているから、いざ死が眼前に迫ったときに、ほんの数週間の延命に数十万ドルもの大金を費やすことになる。””その金は、若い頃に何年、何十年も懸命に努力して稼いだ金だ。臨床に伏して身動きもとれなくなった状態で過ごす数週間のために、健康で活力に満ちた時間を何年分も費やしたのだろうか?”
どれだけ貯金すればいいのかわからないから、いつまでもお金の不安があった。収支を把握し、ライフプランを立ててみて少しは状況を把握できたが、お金の不安がなくなることはなかった。何歳まで生きるか、医療費がどれくらい必要か、どれくらい人に頼らないといけないか、それにはどれくらいお金がかかるか、どれくらい物価が上昇するか、インフレに備えて投資したものが本当にインフレ部分をカバーできるのか。不確実なことが多すぎる。しかしお金を貯め続ける人生、お金のことばかり気にする人生でいいのだろうか。
淡々と過ごしている中でもたびたびそのように立ち止まるときがあった。そうした疑問に答えをくれた気がしたのが冒頭の本。『DIE WITH ZERO』。
お金を貯めることと使うことのバランスについて、自分の中でひとつの指針ができた気がした。今しかできないこと。今だから意味があること。それを考えるようになった。
満足度の高いお金の使い道。両親や大切な人たちと一緒に時間を過ごし、ちょっとしたプレゼントを贈ること。自分の身体を労ること。ちょっとしたご褒美。
復職し、働くことができるようになったからそう思えるのかもしれない。休職中に支出を見直したからそう思えるのかもしれない。休職中に感じた周りへの感謝がそう思わせるのかもしれない。働けるってすごいことだ。ありがたいことだし、どんなときも支えてくれている周りへの感謝の気持ちは忘れずにいたい。
今年も半分が過ぎようとしている。前述の本はまだ読んでいる途中だが、上半期で使ったお金について振り返ってみようと思う。何に使ったお金がいいお金の使い方だと思えたか。またそうでなかったか。振り返ることで今後に生かせることがあるかもしれない。これまたワクワクすることを思いついてしまった。こんな日常のちょっとしたことでワクワクできる自分、あっぱれだと思う。
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