映画鑑賞『流浪の月』

テンションが高くなさそうな、字幕を読まずとも耳だけで言葉が理解できる邦画を観たくなり、Netflixのオススメにあった『流浪の月』を鑑賞。

出演:広瀬すず、松阪桃李、横浜流星、多部未華子

家に帰りたくない少女は、雨が降る公園で本を読んでいたところを青年に言葉少なに声をかけられたことがきっかけで青年の家で暮らすようになる。青年の家で暮らすうちに生き生きとする少女だが、行方不明事件となっていたことで、ある日外出先で警察に保護され、青年は逮捕される。時が過ぎ、少女が大人になった時に青年と再会する。

深刻な社会問題の映画を観始めてしまったのか、それなら今の気分ではないかもと思ったが、それがメインではないと受け取ることもできる映画であった。

事象は人によって見方や評価が変わる。立場が変われば見方も変わる。持っている情報量も人により違う。一般常識や思い込みの影響もある。権力のある人が周りへの印象操作をしやすい。これらは仕事をしていく中で、自分が管理職になる中で実感したことである。実際自分が管理職になって権限をもってみて、上司がいかに重要かがわかった。いくら平等やまじめであることが正と学校で教えられても、社会ではそれが正しく評価されるとは限らないこともいろんなことで知らされる。そういうことを思い出させる映画でもあった。

知られたくないこと。相手に不審に思われようが、自分が悪者になろうが、隠しておきたいことがある。自分にとって大切な人だからこそ言えないこともある。この映画の主人公のように自分が悪者になってでも知られたくないことが自分にはない、自身の恵まれた状況を再認識しつつも、大切な人にだからこそ言えない心情、主人公にとってのそのことの大きさを思って涙せずにはいられない映画だった。また、友人の彼氏や旦那であればろくでもない男としてみてしまうような横浜流星演じる人も、その生い立ちや心情にフォーカスすると心が苦しくなった。一方でまっすぐ向き合ったことが報われる内容でもあり、少し心が温かくなった。大切な人に会いたくなる映画だった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました